ゴールまでの道のり 仮免許学科試験から本免技能試験、免許証発行までの道のり

二俣川で一発試験

ゴールまでの道のりWAY TO GOAL

免許取消処分や失効1年以上(やむを得ない場合以外)での免許再取得はフル受験。6ヶ月を超えたうっかり失効は1年以内の申請であれば仮免許取得の状態でスタート

私が二俣川の神奈川県運転免許試験場(現神奈川県警察運転免許センター)で一発試験を受験してみて一番驚いたのは、「免許取るの初めてです」というヤングが非常に多かったことです。非公認の自動車学校で練習をして臨んでいる人もいれば、ガチで独学挑戦という人もおりました。私が学生の時、そんなチャレンジング・ヤングマンは周りに一人もいなかったです……。

基本的に運転免許試験場で普通仮免許の技能試験を受験している人は、運転免許を初めて取得する人、以前は運転免許を持っていたが取り消されたか失効させてしまった人です。失効でも「うっかり失効」と呼ばれる特に失効理由が無い失効後6ヶ月超え1年以内の人は、仮免許の学科試験と技能試験は免除され、本免許の学科試験からの受験となります。

免許取消処分の方は、本免許を受験する前に運転免許試験場かまたは県内の指定自動車学校で 取消処分者講習 を受けておかなければなりません。これを受講しないと運転免許の受験資格すらないということになります。神奈川県の場合、取消処分者講習の受講タイミングは仮免許を取得する前でもした後でも構いませんが、私が試験時に出会った全ての取消組の方々は仮免許受験前に受講を済ませていました。

ちなみに場内で仮免許の技能試験を受けていると、「いつの時代の車だよコレ」っていうポンコツに出くわしますが、あれが講習中の車です。「免許を取り消されるようなお前らにはこの車で十分だ」っていうメッセージが秘められているのではないかと、そんなことなんだろうなと勝手に解釈しております……。

下の表は受験者のタイプ別による必要試験の種類ですが、適正試験(視力と聴覚)はともかく、免許取消処分の人は「学科と技能と講習、全部」です。一発試験受験者はよく「心が折れる」と表現しますが、これらの長丁場の試験を「落ちながら」進んでいくわけです(辛

  取消処分者講習 適正試験 仮免許学科試験 仮免許技能試験 路上練習5日 本免許学科試験 本免許技能試験 取得時講習
指定校卒業
6ヶ月以内失効
うっかり失効
1年超完全失効
初めての取得
免許取消処分
¥33,800
[2日間]
OK
[条件:眼鏡等]
48点
[1回]
¥19,000
[¥4,750x4回]
約10時間
[5日間@近所]
99点
[1回]
¥6,800
[¥3,400x2回]
¥13,400
[1日]

※現在の仮免・本免試験手数料、取消処分者講習、取得時講習の受講費用は改定されています

どの程度の時間が必要なのか?

仮免許の学科試験から本免許の技能試験まで4つの試験を全て1回で合格した場合、季節によって若干の幅はあるとは思いますが、神奈川県では最速最短でも5日間の路上練習込みで3週間程度は必要となります。

坂道
技能試験のスケジュール対応が大変なのも一発試験の泣き所

神奈川県は人口や免許取消処分者が多い割に運転免許試験場が一つしかないのも混雑する理由だと思いますが、オール一発でもこのぐらい必要になりますので、ゴールまではある程度中長期的な視野が必要です。

技能試験は全て指定日制で、指定日に受験できない場合はあらかじめそれより後ろの日に再指定しておくか、希望日当日にキャンセル待ちをしなければなりません。空きがなければその場で再指定を受けることができます。

私は秋口の受験でしたが、仮免技能1回目の指定日は仮免学科合格の10日後でした。その後仮免技能は10日間隔、合格後5日間の路上練習を経て、本免学科合格の7日後に本免技能1回目、4日後に2回目でした。

指定自動車教習所(所謂公認の自動車学校)は入学前・就職前の免許取得ラッシュで1月~3月が混むと言われますが、運転免許試験場の技能試験も同様の時期に混雑するそうです。仮免技能は不合格後次の試験まで3週間待ちという時期もあるとのこと……。

取得費用は有料練習時間次第

仮免許の試験手数料は試験車使用料込みで1回¥4,350、本免許の試験手数料は試験車使用料込みで1回¥3,350です。ということは、各学科・技能4つの試験を全て1回で合格した場合の実質的な試験手数料は¥7,700です。

まーこれで済む人は極めて少ないと思いますが、それでも仮免許試験を20回受けても¥87,000、本免許試験を10回受けても¥33,500です。それだけやってもまだ、指定自動車教習所の教習費用と比較すれば半額以下です。

クランク
技能試験の実車練習は、最低でも安全確認ができるようになってから

私は 週末の試験場コース解放 で車を借りて2コマ練習したのですが、指導員付きで1コマ¥7,500でした(現在は¥8,600)。

届出自動車教習所(所謂非公認の自動車学校)や個人指導員と練習されている方も多いようで、つまりは取得費用の合計額を左右するのは試験そのものよりも練習回数で、少ない合計取得費用でゴールするためにはいかに効率よく有料練習を済ませるのかという点にあります。

コースをよく知らないままですとか、基本的な運転ルールや安全確認を覚えていないですとか、基本的な所作ができないレベルで有料実車練習するのは、私はちょっとお金がもったいないかなと感じます。

取得費用優先なのか? 時間優先なのか?

自動車学校と個人受験・費用と時間の関係
クリックして拡大

このチャートは、普通一種免許を取得する代表的なプロセスを、私の経験値から費用と時間の相対性で推測的にプロットしてみたものですが、時間的な視点では当然ながら公認の自動車学校(指定自動車教習所)を合宿免許で卒業するのが最も短期で取得可能だと思います。また、公認の自動車学校に通学する場合であっても、短期集中コースみたいなものが結構用意されているようです。

一方、費用的な視点となると、試験料しか必要ないわけですので圧倒的に試験場での一発試験が安価です。結構な回数不合格になったとしても、その費用的優位性は変わらないでしょう。

個人差は当然あるものの、高価だけど短期で確実に免許証をゲットできるのが公認の自動車学校での合宿や粛々と通学する方法、安価だけど中長期的な時間が必要で免許証をいつゲットできるかは定かではないのが試験場での一発試験と言うことができると思います。

どのプロセスが自分に適しているのか一番迷われるのは、私と同じような免許取消処分で欠格期間明けの運転経験者なのではないでしょうか? 公認の自動車学校に通うか、非公認の自動車学校で練習するか、はたまた個人で場内練習するなりで進んでいくか……。

私の場合、欠格期間が1年と短く運転感覚もそれほど鈍っていないと感じていたので、公認の自動車学校という選択肢は鼻からありませんでした。非公認の自動車学校(届出自動車教習所)で練習をすることは考えたのですが、最初にコースを歩いた際にとりあえずイメージトレーニングと週末のコース開放での練習でいけるだろうと感じたので、そのまま仮免技能試験を4回受験して合格に至ったという感じです。

試験の待ち時間にお話した何人かの運転経験者は、非公認の自動車学校で練習しながら技能試験に臨まれていました。評価はイーブンという感じでしたが、皆さん共通していたのは「それが必要か否かは別として、安くはないよね」という点でした。要は、非公認の自動車学校に通って合格へのアドバンテージがあるのであれば安いもんだけど、無いのであれば週末に実際の試験コースをみっちり走った方が実益は多いという感じなのかなと思いました。

もちろん、個人差がありますし価値観は皆それぞれ違いますので、どのプロセスが良いのかは一概に決め付けることはできませんが、一つ間違いなく言えるのは、公認の自動車学校を卒業する以外のプロセスを経る場合、どこでどんな練習をしようとしまいと、最終的に現役のお巡りさんを助手席に乗せて70点以上取らなければ運転免許証を手にすることはできないということです。ある人は降車後にプラスチックのベンチを蹴り、ある人は「私もう無理」と発着場で泣き崩れます。運転免許試験場での一発試験は、そのぐらいシビアで過酷なものです。

費用と時間を見積もることや自動車学校に通う通わないを考えることはとても大切なのですが、それよりも一発試験で最も大切なのは、あの試験環境に自分が耐えられるか耐えられないのかをまず問うことなのかもしれません……。

おすすめの技能試験対策教本
現役教官が教える普通免許合格テクニック

DVD付 現役教官が教える普通免許合格テクニック
[王子自動車学校 監修 / 成美堂出版 単行本]

運転歴が長ければ長い人ほど、試験場での技能試験には苦労すると思います。その理由は単純で、長年運転するうちに身に付いてしまった運転のクセや誤った交通ルール解釈と、技能試験で求められる操作・所作・交通ルール解釈に大きなギャップがあるからです。

この教本は一発試験用というわけではありませんが、普通免許・普通仮免許の技能試験で求められる操作・所作がとても丁寧に説明されており、またそれを実際の映像で確認できるため非常にオススメです。私も活用しました!

amazon amazon Yahoo! 楽天

サイトご利用にあたってのご注意
このサイトには私自身の神奈川県警察運転免許センターでの受験経験に基づいた技術論やアドバイスを掲載していますが、技能試験に関しては採点基準が警察庁より公表されているものの、神奈川県警察運転免許センター場内・路上コースの個々の箇所について「ここはこのようにする」という基準が明確に公表されていないため、残念ながら私の採った方法や考え方が100%正しいと言い切ることができません。その為、私が記載した方法で操作・所作したことによって万が一試験が不合格となった場合でも、その責任を負うことができませんので予めご了承の上お読み下さいますようお願いいたします。